カッコウ笛

前回の記事で登場した「フルート族」の一人です。

 

今月のコンサートでの演奏曲の一つ、「静かな湖畔」では、曲を盛り上げるために「カッコウ笛」という擬音楽器を使用しますが、私が担当になりましたので、大マジメに鳴き方を研究しています。


今回使うカッコウ笛は、写真のように太めの短い竹筒に、細い竹筒を斜めに取り付けたもので、太い竹筒の両側の開口部分を両手でふさぎながら、細い竹筒から穴に向けて息を吹き込み、音を出す構造です。使用説明書では左手の親指と人差し指の間で細い管を挟み、タンギングや人差し指を浮かせるなどで「カッ」「コウ」の音を出すことになっていますが、試行錯誤の結果、人差し指ではなく左手全体を浮かせ、またタンギングではなく、「ウッ、ウッ」、とお腹で息をコントロールした方が音色や音量も安定して、カッコウは機嫌よく鳴いてくれます


そして、この一見シンプルな構造に見える竹細工には、フルートの頭部管との共通点があるようです。細い竹筒から吹き込んだ息の管からの出口は、わずか2mmくらいの高さで、「細くまとまった息」が絶妙の角度で穴のエッジに当たるように作られています。また、穴の下側の削りはかなり深くなっています。

 

様々な部分のちょっとした細工のおかげで、豊かなカッコウの鳴き声が誰でも簡単に出せるのだろう、と感心しました。考案した竹細工職人さんの知恵と技に拍手です!